2020年自粛期間もありお家で映画を見ている人はたくさんいると思います。「今日は何みようかな」そんな方に朗報です!


映画に目覚めた2019年は約200本を観て自分の中で映画革命が起きました。そんな私が2020年150本の中から、上半期おすすめ映画を紹介します。
こんな人におすすめ
・話題の映画に飽きた
・考えさせられる映画を観たい
・スマホを触らずに没頭したい
・知性と感性を刺激する奥深い映画を観てみたい
1年前の今日何をしてたのか覚えてないけど、映画のタイトルで内容とどんな心境で観てたのかは思い出せるんです。これが「オモシロカッタ!」だけで終わらない作品。どんな作品か気になりませんか?


- 社会派映画の極み。家族を想うとき(2019)/ケン・ローチ
- 画と音が美しい感じる系作品。わたしは光をにぎっている(2019)/中川龍太郎
- ドキュメンタリーで自分を試せ。イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010)/バンクシー
- 事実無根の誹謗中傷を体感。リチャード・ジュエル(2019)/クリント・イーストウッド
- 衝撃作。存在のない子供たち(2018)/ナディーン・ラバキー
- 青春映画の極み。あの頃、君を追いかけた(2011)/ギデンズ・コー
- 歴史アクション傑作。セデックバレ第一部 太陽旗・第二部 虹の橋/ウェイ・ダーション
- 恋愛モノはこれ!ラストレター(2020)/岩井俊二
- みんな納得の社会派アニメ。天気の子(2019)/新海誠
- 良い作品を観て価値観が変わる
社会派映画の極み。家族を想うとき(2019)/ケン・ローチ
家族のため新しい仕事を始めた主人公が、働くほど幸せになりたい家庭が崩壊していく救われない物語。
100分/イギリス・フランス・ベルギー合作
カンヌ国際映画祭の常連で名称と呼ばれるケン・ローチ監督が、格差社会と貧困をテーマに、この社会への静かな怒りを感じる監督の作品。
どんな想いで働いているのかが本当に細かく表現されてます。働きすぎて無理をして心が摩耗している、他人のフリ見て我がフリ直せではありませんが、自分の状況を比較しながら見つめ合える作品です。
前作「わたしは、ダニエル・ブレイク」も同じテーマで違う立場の人を写した作品でおすすめ。
画と音が美しい感じる系作品。わたしは光をにぎっている(2019)/中川龍太郎
都市のあちこちで起こっている再開発。あるものの尊さに光を当てた雰囲気作品の極み。
96分/日本
田舎から出てきた主人公が社会と人に触れて挫折しかけるも、叔母の言葉を胸に成長していく丁寧な物語であす。昭和の人懐こい雰囲気が終始漂います。
映像が美しく、自然音とあいまってファンタジーではない現実世界に浸れ、心が洗われます。
ドキュメンタリーで自分を試せ。イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010)/バンクシー
観る者の感性と価値観に訴えかける、社会派アーティストのバンクシーの信念が窺える作品。
90分/アメリカ・イギリス合作
謎に包まれたストリート・アーティストのバンクシーに「近づいた男」の変化を映した作品です。
商売を営む男の趣味はビデオカメラを撮ること。ストリートアートを撮るうちにバンクシーに触れ、ついに自身がアーティストになってしまうびっくりストーリー。
数字で測れない芸術。アーティストと一般人の温度差や視点をうまく表して「あなたの価値観どうなってるの?」バンクシーらしい作品です。
事実無根の誹謗中傷を体感。リチャード・ジュエル(2019)/クリント・イーストウッド
警察や報道によって容疑者に仕立て上げられた男の苦悩と人間心理を描く。
131分/アメリカ
実際にあった事件を元にした作品です。
これ、自粛警察や正論厨などスケールは違えど今の状況と同じなワケで。正しさを武器に、その情報の真偽もわからないまま決めつけて他人を貶めたり攻撃してよいのか?人ごとではありません。
この主人公は趣味で(合法)銃をたくさん所持していたり、行き過ぎた正義感から仕事をクビになった過去もある。一面だけで本当のその人のことなど分かり得ない。理性や倫理観に訴えかける、主人公に感情移入して被害を体感できる良いドラマです。


衝撃作。存在のない子供たち(2018)/ナディーン・ラバキー
戸籍のない子供が非情な現実の中で必死に生きる、レバノンの実情。
125分/レバノン
世界には戸籍も住所もない子供がたくさんいます。学校にも行けず人生の選択肢が少なすぎる。欲しいものはお金で買えない「愛情」それさえ手に入らない。そんな過酷な状況でも生きようとする、寂しさを抱える主人公にひたすら胸を打たれる衝撃作です。
人間が生きる上で必要なものってなんだろう。フィクションですが、ニュースや旅行では体験できない実情を限りなくリアルに描いています。胸がいっぱいになりました。
★第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞
青春映画の極み。あの頃、君を追いかけた(2011)/ギデンズ・コー
両想いなのに結ばれない、大人になっても想いを寄せ続ける王道を突き詰めた物語。
110分/台湾
監督自らが学生時代に体験した実話小説が大ヒットして映画化。
優等生に恋するヤンチャな主人公。今ではよくある「キス」表現がゴールなので、現代が忘れてしまったもどかしい愛情表現の行動を手を変え品を変え、テンポよく進んでいきます。淡くて切ない思い出がこれでもかと胸に蘇ります。
日本のリメイク版もありますが、こちらが断然おすすめです。
歴史アクション傑作。セデックバレ第一部 太陽旗・第二部 虹の橋/ウェイ・ダーション
日本が過去台湾に何をしたのか、歴史と文化を学べる超大作。
2011年・143分/2013年・131分/台湾
日清戦争に勝利し割譲された台湾を日本が支配した時、現地部族が武装蜂起した霧社事件を扱った作品。
ハリウッドのようなダイナミックさとスケール、作り込まれた構造や丁寧な時代考証と再現性。セデック族同士の対立、テレビで見る日本人の俳優、歴史と事件と文化を学べる素晴らしい作品です。
恋愛モノはこれ!ラストレター(2020)/岩井俊二
忘れられない初恋とラブレター。想いと時代を手紙がつなぐ儚い恋物語。
121分/日本
私好みの大好きな岩井俊二監督作品です!!!
どんな女性も監督にかかれば『少女』に映るその姿に目が離せない。光と揺れる独特なカットとこだわりの音楽。映像監督でありながら小説・音楽・アニメなども手掛けるもはやクリエイター。新海誠監督がインスパイアされた監督です。(本人談)
ある姉妹と転校生の男の子。学生時代の初恋を手紙の書き手ごとに視点を変え交差させ、想いを昇華していく。地に足のついたファンタジー作品。
9月11日に先に中国で作られたもう一つのラストレターが公開予定です。(大興奮)
みんな納得の社会派アニメ。天気の子(2019)/新海誠
狂った世界でも自己犠牲ではなく、共に生きることを選択する若者の話。
/日本
雨が降り続けて沈んでいく世界→今の日本。
天気を操ることのできる少女→自分のスキル
人柱になって天気回復→働きすぎて過労死
権力に抗うには力→銃
未来ある少年少女が先の見えない社会の中で、どう生きていくのか描かれています。大丈夫だと。画がとにかく美しい。
良い作品を観て価値観が変わる
作品が難しいのではなく、知識が足りない or 映画鑑賞のイメージが小さい頃と同じなだけです。(マニアックすぎるものもあります)
『五感を刺激する総合芸術=映画』の見方を友人に教わり、映画を毎日観るくらい好きになりました。
世界の史実・現実を知る
↓
色んな立場と人間を見ることができる
↓
視野が広がり選択肢が増える・自分の経験や知識と繋がる
↓
新たな好奇心やものへの興味に再生産される
↓
同じ事件で違う視点の作品を鑑賞するなど
↓
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自分の人生が豊かになるような、素晴らしい作品とお家時間を過ごしてください。
おすすめした作品以外のもっと詳しい映画考察や、私の体験や感想をnoteマガジンに書いてます。

