【ネタバレなし映画レビュー】見るところが感じるところ「あの子を探して」チャン・イーモウ監督

2019年5月30日

言葉にできないすごさ。強いメッセージと壮大な作品

田舎と都会の格差、小学校にも通えない貧困問題。
当時の中国社会へのメッセージを投げかける原作を元にした作品。

中国の田舎の村が舞台。
水泉小学校の教師カオ先生が1ヶ月お休みを取るため、村長が代わりに連れてきたのは隣村の13歳のミンジ。教えるほど勉学の知識もなく、50元のお給料をもらえるためやってきた。

家庭の事情など年々減ってく生徒の数にカオ先生は、「これ以上生徒の数を減らしてはいけない」「減らなければお給料10元増やす」と言い残す。

ある日、生徒のチャン・ホエクーが街に出稼ぎ行き、学校に来なくなった。
ミンジは減らしてはいけないと、生徒たちと考え1人街に探しに行く。


監督 張芸謀(チャン・イーモウ)
原作 施祥生(シー・シアンション)
キャスト 魏敏芝(ウェイ・ミンジ) 張慧科(チャン・ホエクー) ほか
公開 1999年 106分/中国

第56回 ベネチア国際映画祭 金獅子賞

ほとんどが実名の素人による映画

子供の自然な姿に何度も胸を打たれます。
子供たちは実名の素人。全くもって自然なので私も調べるまで違和感ありませんでした。
そのありのままの姿と「格差社会」がとても効果的に撮られていて、国際映画祭常連の監督の腕はさすが…と思わせます。

20年前の作品ですが、私たちが知らなかった中国の内情や現実を知ることができ、今も世界で同じようなことが起きていると思います。
私たちにとっての当たり前が、とても贅沢で豊かなこと。

お金もなく無知であること、そうするほかに手段がないこと。「生きる」こと。

いま持っている知識を出し合ってみんなで探す方法を考えるその行動に、本当の教育とは何か、なんのための教育なのか。私たちの教育はなんだったのだろうか。

『日本人には欠かせないお米』社会科学習で田植え体験やりませんでした?
私は田舎に住んでた時は幼稚園で、東京では小学校でやりました。貴重な体験ではありますが、当時もほとんど機械ですよね。

機械で精製され、それぞれの状態でどんな栄養があるのか、口にしている精製された食品の害とか学んだ方がいいのでは?
「生きる」×「教育」から思ったりするわけです。

だから映画って素晴らしい!

あまり言いたくはない、私の恥ずかしい感想です。
東京で生活していて、街中で何気なく耳から中国語、接客した中国人の方達の印象から、苦手意識が少しありました。
それこそ良くない固定観念や偏見で、自分が恥ずかしく深く反省しました。

ラストシーンになって気づかされました。
劇中の良いところを何度も見逃したことか!

こうしたことってなかなか普段生きてて気づけないと思うんです。

職場で一緒に働いてる上司はニコニコ何も言われなかったのに、後になって違う上司から、仕事に対する態度が良くなかったと抽象的な注意を受ける。(経験談)

そんなことより、人として大事なこと。
それを2時間で学べてしまう。これこそ芸術の素晴らしさ!

終始、俯瞰して撮られていて広大な村の風景や日常を映していますが、どの画にも迫力があります。
とても考えさせられる、笑えることに感謝したいインスピレーションの詰まった作品です。

観てよかった度 3/3

合わせて観たい

あの子を探して(DVD)はこちら

学校1 山田洋次監督 過去記事 DVD
中学の夜間学校をテーマにした「社会」
中国人の生徒もいます。胸がいっぱいになる作品

映画をネットで見るなら(無料期間あり)

TSUTAYA TV動画配信の「無料お試し」プロモーション
TSUTAYAの店舗レンタル料金はお店ごとで違うので、映画を定期的に観る方に

U-NEXT(ユーネクスト)31日間無料トライアルプロモーション
雑誌も読み放題、1契約で4アカウント作れるので家族がいる方に