舞台女優の映画レビュー「コロニア COLONIA(2016)」

2019年9月18日

コレさえ見れば、映画がより楽しめる!!「おもしろかった!」だけでいいの?
舞台女優ならではの視点から、斬新な映画レビューブログをお届けします。


 
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映画を観たいけど、外したくない。
どこの何を観ればいいか知りたい!
調べるのが面倒なんだよねぇ…
 
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このブログを見れば大丈夫です!

2019年になって突然、120本以上の映画作品を観るようになった舞台女優が、
作品の見所や楽しめるポイントなどをまとめました。

・作品の概要と時代背景
・見どころ、ポイント
・感想や関連作品の紹介

映画は消費するものではなく、観るものの人生や心を豊かにします。

もうひとつの9・11

1973年に起きたチリ・クーデターの際の実話を元にした作品。

主人公レナは、客室乗務員。フライトでチリにやってきたタイミングで軍事クーデターが起きてしまう。
ジャーナリストの恋人、ダニエルが反乱分子として捕らえられ『コロニア・ディグニダ』に収容される。恋人を助けるために、自らコロニーに潜入するお話。

監督 フローリアン・ガレンベルガー
脚本 フローリアン・ガレンベルガー
   トルステン・ヴェンツェル
出演 エマ・ワトソン
   ダニエル・ブリュール
   ミカエル・ニクヴィスト
公開 2016年 110分
製作国 ドイツ ルクセンブルク フランス イギリス

そうなんだ!チリ・クーデターとは

1973年の9月11日に、選挙によって選ばれた世界初めての社会主義政権を、軍事力で覆した事件。

社会主義は、みんなの分け前は平等に分配しましょう、と言う思想。

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誰が、何のためにクーデターを起こしたの?

余裕のある暮らしをしている人、
お金儲けをしている側からすれば、面白くはない流れ。
(アメリカの企業がチリに進出し利潤を得ていました)

脱アメリカの流れや、社会主義の政策で産業の国有化(公正にみんなのもの)が進められようとすると、アメリカは危機感を感じます。

アメリカのCIAが裏からチリの高官や軍幹部を脅し、そそのかし、メディア買収して扇動…
ピノチェトという将軍を武力でトップにし、軍事政権の確立させてしまうのです。

アメリカによって。

軍事力は政治に中立という信念のトップを襲撃したり、クーデターで大統領を殺害。
反乱分子は逮捕して拷問や監禁。
人権も認めない軍事政権が1989年まで続きました。

反乱分子が送られた収容所を舞台に、どんなことが行われていたのか、当時の状況をリアルに映しています。

今と比べて*人間を見られる

man

今の私たちは、いちおう資本主義社会の中で暮らしています。

当時の思想体系や、社会形態を目の当たりにして、人間の恐ろしさを実感します。

レナやダニエル(今の私たち側)と、コロニーで生まれ暮らしを余儀なくされている人々を見比べられることで、人間の在り方や思想について考えさせられます。

日本に生まれたこと、安心できる場所があることに安堵感と、何もないホッと幸せを感じます。

テンポも良く、レナ目線でどんどん引き込まれていってしまいます。
ドキドキ、ハッとする、一緒になって体感できる迫力と臨場感を終始、味わえます!

エマ・ワトソンの美しさと全力疾走する逞しさがより一層光るのは、サバイバルのような過酷な環境であることも同時に痛感させられます。

★コロニアを観る

『恋とは、優しさではありません。共に天を頂かんとする、強い意思のことです。』
このセリフがぴったりの重量感のある作品です。

観てよかった度 ★★★☆(3.3)
2019年64本目

次に観たい、監督の別作品もおすすめ!

フローリアン・ガレンベルガー監督の別作品

「ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜」(2009)
ドイツの映画祭で4部門受賞

第二次世界大戦中、ユダヤ人を助けたドイツ人実業家「オスカー・シンドラー」と同じような働きをした中国のお話。
香川照之など日本人も日本軍人役で出演しています。

過去記事/スティーブン・スピルバーグ監督「シンドラーのリスト

映画から歴史を学んで観る。
知識や教養、感性も豊かになる、総合芸術の極みですね*

観た映画の感想をサラッとツイートしてます→(@errnzabesu2)