障害者プロレス団体「DOGLEGS」ドキュメンタリー/映画レビュー

障害者プロレスと聞いて、どんなイメージを持ちますか?

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そもそもプロレスってわざとやってるんじゃないの?
見世物として、誇張してやってるんじゃないの?
 
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そう思っていましたが…観て観たら180度変わりました。
 

「生きる」とは何か。
命をかけた生き様を見た、心打たれる衝撃の作品。

・そもそもプロレスを知らない人
・自分の価値観を変えたい人
・スポーツが好きな人
・何かと戦ってる人

テレビでもほぼ見たことがないプロレス。
『ジャーマンスープレックス』なんて技名は知っていても、実際には見たこともなければプロレスのルールさえよくわかっていない。
社会的には日の当たらない、普段接することの少ない人たちかもしれない。
けど、私たちにはできない格好良さがある。私はファンになった。

価値観を変える、逆輸入作品

障害者たちのプロレス団体「DOGLEGS」に5年密着した、ドキュメンタリー映画。

監督 ヒース・カズンズ
公開 2015年/アメリカ 89分
公式サイト】←クリックで飛びます

作品の中心人物、障害を抱えて20年間リングに立ってきた『サンボ慎太郎』が、団体創立者の『アンチテーゼ北島(健常者)』を引退試合に指名するところから始まる。※予告編参照

重度の前身麻痺を抱えた『ラマン』
奥さん『ミセスラマン』 息子『プチラマン』
ラマンの介護士であり、精神障害を抱えた『中嶋有木』

リングの上で、戦う様々な選手たち。
障害という社会生活を営む上ではハンディキャップになるものが、逆にプロレスの本質や生きるということを訴え、心に刺さり脳天揺さぶられる衝撃の作品。

「試合に負けて勝負に勝った」私がやっている演劇と同じ共感

・相手と戦う
・自分と向き合う
・全力でぶつかる
・一つのものを創り上げる

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勝ち負けがあるからでしょ?
演劇やお芝居にも勝負があるの?
 

セリフは決まっているけど、それを言わせるには本当のことのように事が起こらなければいけない。
どれだけ相手のために、相手を怒らせられるか、感情を起こさせるか。自分自身の内側に、勝てる戦いをしている。

・全力でぶつかる

主人公的存在のサンボ慎太郎さんが立ち上げ健常者の人に挑むシーン。過去何度も戦い、ずっと負けてきた。
介助なしでは生きられない重度の障害を持つ旦那さんと健常者の奥さんが戦う。
リングの上にあるのは何なのか。誰が好きで愛する人を殴るのか。

・一つのものを創り上げる

お芝居と同じで、興行。見世物としてお互いの共通認識がある上での本気の殴り合い。
どれだけ自分だけが『うまくやれるか』ではなく、相手と呼吸を合わせ本気でぶつかって『起こしていく』か。

愛がある。命をかけた人間の本質とは

リングの戦いから始まる。どう見て良いかわからなかった。
健常者同士のプロレスではわかる事ができなかった、境地を体感することができた。

一口に「障害者」と言っても、種類も程度も違う。

『障害を持った人たちのプロレス』は「やりたいことやってるだけじゃないの」「笑って楽しめない」と冒頭は抵抗感さえ感じた。

違う。これは「愛」「命をかけた本気」だと感じた。

身体的なことではないのだ。うまいとか下手とかじゃない。何をかけて、どんな想いで相手にぶつかっていくか。
パワーで言ったら強くはないパンチが、心をガツンと撃ち抜いていく。

相手がいてこそ成り立つ。
ただ相手と勝負する格闘技にはない、歪んだ愛情。
人間的で、浅ましくてダメなところが愛おしくなって、最後にはファンになっている。
恥ずかしながら、気がつけなかった大切な事をたったの90分で教えてもらった価値観の変わる作品。

公式サイトから有料で観れます。

ドックレッグスホームページ http://doglegs.a.la9.jp

無敵のハンディキャップ
アンチテーゼ北島さん/北島行徳

ほぼ1日1本映画観てる舞台女優(@errnzabesu2)

映画100本観たら世の中のことを知りたくなった。(note)