本質とは、みえないもの「娼年」三浦大輔監督

2019年10月2日

相手を、自分を、物事の本質をちゃんと、適切に見ることができてますか?

言葉から連想するイメージ、一般的な認識、先入観や実体験。

人は情報のほとんどを視覚から得ています。

私自身、金髪にしてから、ありありと人の偏見を感じました。
人の「腐」を感じた私自身が、人に対してはすに構えちゃってました。

最初の印象に囚われて本質を見れない、見ようとしなくなるときがある人へ。

相手と対峙すること、人と人の間にあるものに改めて気がつけました。

見る者の心を紐解かれ持っていかれた、とても美事(みごと)な作品です!

コミュニケーションの本質とは

私たち日本人は特に、体裁、本音と建前、社会的地位など、あまり本音や主張をしません。

三浦大輔監督は、その人間の欲や情の、生々しい描写がとても秀逸です。

例えば、エレベーターの中で心に思ってることを、さらけ出したような作品。
いつも心が「うわぁ…」といろんな絵の具が混ざったような気持ちになります。

『娼年』は、リアルに引き寄せられ、丁寧に心を紐解かれて、奥に入っていかれて、じんわり気づかされます。

主人公の森中領は東京の名門大学生。日々の生活や女性との関係に退屈し、バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている。ある日、美しい女性がバーに現れた。女性の名前は御堂静香。「女なんてつまんないよ」という領に静香は”情熱の試験”を受けさせる。それは、静香が手がける会員制ボーイズクラブ、「Le Club Passion」に入るための試験であった。 入店を決意した領は、翌日から娼夫・リョウとして仕事を始める。最初こそ戸惑ったが、娼夫として仕事をしていくなかで、女性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれ、やりがいを見つけていく

『娼年』公式サイトより

監督・脚本 三浦大輔
原作 石田衣良
出演 松坂桃李/真飛聖/江波杏子 ほか
音楽 半野喜弘
制作 ホリプロ
配給 ファントム・フィルム
公開 2018年4月/119分
※R-18です

大事なものを見逃さない目を

物事や相手を判断するときに、他人の意見やどう思われるかを気にしすぎだと感じました。

映画レビューでは、高い評価ではありませんでした。

低い評価をしたレビューのほとんどが『セックス』『欲』という言葉の持つイメージや行為自体を、予告編でも出てくる「汚い」という印象に捉えてるようでした。

…なんで?

みんな心から嫌悪するほどセックス嫌いじゃないでしょう?
『銭湯』に来てるのに、必死にタオルで隠してる人みたい。

(ちょっと長いかもと個人的に思う部分はありましたが)

「セックスなんて、ただの手順」

冒頭で領のセリフと、低評価の人たちは同じではないかと思います。

「ヤンキーの人が倒れた人を救護してた 〜人は見た目じゃないんだなと思った」

感心したと呟く=自分は外見にとらわれてましたと言ってるようものです。

この作品は、その逆の話だと思います。

行間を読む。/★★★★

wanna

松坂桃李くんや女性陣の身体を張った芝居。

三浦大輔監督の、観客の心を惹きつけ自分の世界に持っていくのがとても巧みです。
久々にスマホを見ずに楽しんで見ることができました。

環境音、BGMの効果的なタイミングで、監督が伝えたいメッセージが、斬新な手法で五感に広がるのを感じました。

視力や心に輝きを取り戻した、なんとも言えない、心がほんのり暖かい「すげぇ…」作品です。

途中では笑いあり、社会の風あり、衝撃あり。
私は監督作品の中で、一番好きな作品になりました。

過去レビュー記事:「裏切りの街」

これは見ないと伝わらないですね(笑)

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監督作品に出たい!監督が演出する舞台に出たい!!!!!
と言う夢ができました。